Quality of Reception.
オフ会って言うと極端な話、ネットで知り合った人間2人がペアチケ当ててライブに出向くのも該当するけれど、そうではなく、「十数人~数十人の人間が、集団として何らかの目的を持って、有志によって開催されたイベントに参加する」くらいの規模のレセプション・パーティーについて語っていると思ってくだしあ。 いまいち想像がつかない方は、そうだなぁ、アニメやマンガで見るような「立食パーティー」ってイメージの、もっと小規模な寄合っぽい、なんかそういうものを想像してみてください。多分。
というわけで、そういうレセプションのスタッフ(ホスト)として参加したときに、何に注意したらより良いものになるのか(なりそうなのか)、という意見を、思いつく限りメモしておこうと思います。
箇条書き結論
- 連絡方法は1つだけ用意する
- 会場を下見して、イベント時の人の流れを大まかに把握する
- 名簿は確実に用意する
- 金銭の話をするときに「とりあえず」は厳禁
- 現地機材の徹底確認(できる限り下見しろ)
- 環境依存性の高いデータは用意しない
- 私はお前じゃないし、お前は私じゃない
- 必ずしも参加者全員が味方ではない
- 必ずしも参加者全員は味方ではない
- 参加を断る権利も、参加しない権利もある
おわりに・免責
いろいろ思いつくままに書き連ねましたが、あくまで私個人の意見感想であり、所属する企業・団体、ホスティングサーバーの運営企業とは関係なく、特定の政治的思想、宗教的価値観を奨励・批判するものでもありません。また一部明示した箇所を除き、特定の企業・団体や個人、イベント等について言及されたものではありません(お定まりの定型句)。 あくまで「私がホスト側でイベントを興すならこれくらいしたいし、できれば他人がホストになったときにもしていて欲しいけれど、まァ理想論ね。理想論。」という程度の話です。
この文章を大真面目に肯定的に捉えて実践しようとしなくていいし、この文章を大真面目に批判的に捉えて義憤に駆られなくていいです。
以下本旨
連絡方法は1つだけつくる
告知の連絡したのって誰だっけ?詳細ちゃんと伝えてる?
参加者を募ったり、参加を表明したり、意見を募ったり、詳細を通知したり、参加者が質問したり、etcetc…
そういう全ての活動において、使う連絡先は1つにしましょう。
eメールでもいいしメーリングリストでもいいし、Twitter(SNS)でもLINEでもいいし、ツイプラでもコンパスでも、あるいはWixなりで個別にサイトを作っても良いけれど、必ず「ここを見れば(見せれば)連絡がとれ、状況がわかる」というセンターになる物を1つだけ用意しましょう。
で、用意したらそれ以外の連絡方法を使うのはやめましょう。もし使う必要に迫られても、「次の連絡から(センター連絡先)を利用しますから、あなたもそちらを利用してください」と必ず言って、その通り実行しましょう。
ユーザーにとって連絡先が2つ以上存在する(または2つ以上「あるかもしれない」と思う)ことは、単純に情報を見落とす懸念を生み、また「自分に隠されたところで連絡があったかもしれない」という疑心を生みます。 同様に、ホストにとっても多数の連絡先利用は、ユーザーからの連絡の見落としや、更新の煩雑さ、情報の非集約を招き、円滑なイベント進行を妨げます。
連絡方法を1つに絞ることで、「絶対ここに連絡や報告があるから、ここが未更新なら特に連絡はない」という判断が確実にできるようになり、「ホストメンバーによって発言の情報量が変わる」などの失敗を減らすことができます。
最近はそういったイベント用サービスみたいなのがあったような覚えがあるので、積極的に利用していきましょう。
会場を下見して、イベント時の人の流れを大まかに把握する
「この辺で待ってろって言われたけど…」
「ここウチの店の前なのでどいて貰えますー?」
- レンタルスペースの一部動線が狭く、ユーザーがコミュニケーションをとりづらくなっている
- クロークが奥まったところにあり効率が悪いのに、荷物の移動に時間的余裕をとっていない
- イベント中、ホストが全体に向けて案内を喋りたいとき、声が届かない位置がある
- 配膳卓が会場中央に寄っていて、動線を分断している
- ケータリングを置くスペースがない
- 集合予定場所が狭く、想像より人が留まっていられない
- 会場入口が目立たない位置にあり、参加者が迷う
など、下見してれば気づいたであろう事というのは多くあります。予算が嵩んだとしても下見しようね。でも手弁当はだめだぞ!
名簿は確実に用意する
「全員いますかー?今いない人は手を挙げてくださーい!」
誰が来たか来ていないか、誰が払ったか払ってないか、成人か否か、参加記念品を渡したか、など、多くの場面で重宝します。
オタクの集まりだとハンドルネームであることが多いと思いますが、だからこそ参加者を把握・同定できる仕組みは準備しておきましょう。全員分名札作ってもいいくらい。
当日現地に来ても「誰が来る予定で今誰がいるか○○さんしか把握していない」みたいなのは辞めましょう。お願いします。
金銭の話をするときに「とりあえず」は厳禁
現金だけに、ね。(懇親のドヤ顔)
詳細は控えますが、「お金についてですが、とりあえず○○して~」って言ってやっちゃった人が、後になって散々にボロクソ言われてた事があります。
お金というのは、社会的には絶対的な価値基準として存在しますが、個々人の間ではその価値基準に相対差があります。 毎月親から数百円のお小遣いを貰う小学生の1万円と、年収500万円の30代独身正社員*1の1万円と、ビル・ゲイツ御大の1万円では、本人にとっての価値は計り知れない差があります。
全員が同じ価値観ならば「とりあえず~」で運用してもなんとかなるかもしれませんが、全員が同じ価値観ではないので、「とりあえず」は辞めましょう。 どうしても「とりあえず」運用をしたいならば、絶対に悟られないように身銭を切りましょう。
現地機材の徹底確認(できる限り下見しろ)
…えっ、BDプレイヤーはあるけどDVDはムリ?
先の「下見して」に通じるところがありますが、ここではその中でも機材について掘り下げます。
例えば、イベント会場としては標準的装置の「マイク・スピーカー」や「プロジェクター・スクリーン」。 最近では会場の公式ウェブサイトなどでも明記されていることが多くなり、大変よい時代になりました。
が、それが裏目にでることも当然あります。
たとえば「会場にはマイクが2本とスピーカーが4台、音響設備はCDコンポ1台、映像はDVDプレイヤーが繋がる大型プロジェクターがあります(WiFi利用可能)」と言われたとき、私とあなたで想像する状況は同じでしょうか?
ちなみに私は「マイクは壇上固定。スピーカー4台の内訳はCDコンポ直結2台とマイク専用がマイク1本につき1台、それ以外の音響は接続できず。CDコンポは壁収納と構造的に一体化しており移動不可。プロジェクターの表示サイズは十分大きいが、旧式のため解像度が低く小さな文字は霞む。DVDプレイヤーは前述通り音響設備とは繋がっていないので音が鳴らない。WiFiは某大手携帯販売会社のレンタル品で、当該キャリアの携帯電話を持っていないと利用不可能」という環境を想像しました*2。
はたして、あなたが最初に想像した状況への対応準備で、今私が述べた環境に無事対応できるでしょうか?
これはかなり難しい要求で、イベントの詳細がある程度決まってからでないと確認ができないという部分も多分にあります。
それでも是非、機材周りを担当される場合はイベント以前に会場を下見して、「イベントで要求される機材」と「会場に存在する機材」、「自分だけで用意できる機材」、「追加で手配が必要な機材」を十分比較して、対応を十分検討してから本番に臨んでください。 なんだったらリハーサルをしろ。もちろん手弁当はだめだぞ!
環境依存性の高いデータは用意しない
頼んでたデータください! えっ開けないんだけど…
あなたが作成したファイルをあなたのPCで開くぶんには何の問題もありませんが、たとえば他人のPCで開かせたり、あるいは他人の作成したデータをあなたのPCで開くこともあるでしょう。
そういう時、データというものは驚くべき意外性をもって私たちを迎えてくれます。
- Windows専用ファイルがMacで開かない / Mac専用ファイルがWindowsで開かない
- 画面サイズが違うため画像が見切れる・想定外の余白ができる
- フォントが違うため見た目がおかしくなる
- 動画・音楽ファイルが再生できない、再生できてもカクつく
- 有料ソフトでしか開けない
- etc
いわゆる「互換性」というやつですが、気にしない人だと本当に無頓着なので、これを機に、あなたも気にする人になりましょう。よろしくお願いします。
具体的には、重要なデータをやりとりする際には「これって『互換性』ってやつ大丈夫?『環境依存』とかなんとか」って一言言ってください。それだけで救われる命があります。よろしくお願いします。*3
私はお前じゃないし、お前は私じゃない
も、もう一人の僕!?
時折思い違いされている方がいますが、私はあなたではないし、また同様にあなたも私ではありません。
したがって、私の考えていることは、あなたの考えていることではありません。
また、あなたの考えていることは、私の考えていることではありません。
私の困ることは、あなたの困ることではありません。
あなたの困ることは、私の困ることではありません。
私の望むことは、あなたの望むことではありません。
あなたの望むことは、私の望むことではありません。
ここで「そうは言っても世界が滅びたら俺もお前も困るだろ」などというナンセンスな返しはご遠慮ください。 私は「絶対に違う」とは言っていませんので、「違わないこともある」ということを否定していません。*4
お互いに、自身の考え、要求ははっきりと発言し、また相手の発言を聞きましょう。 その結果として「要求を聞き入れない」というのは、れっきとした1つの立派な判断です。
必ずしも参加者全員が味方ではない
必ずしも参加者全員は味方ではない
大事なことなので2度言いました。大事なことなので。
残念ながら、世の中は平和でも穏やかでもありません。
なんて突然社会派を気取るような学識は持ち合わせていませんが、これはオフ会などの小さなコミュニケーションの場でも同様に言えることです。
参加者が必ずしも全員「俺たちも協力してより良いイベントにしよう。何かお手伝いできますか?」と言ってくるようなユーザーではありません。
「幹事なんだからお前たちが全部やれ。参加者をもてなす義務があるのはお前たちだろ」と言ってくるようなユーザーも、少なからずいます。*5
逆に、「俺たちが仕切ってやるんだから、お前たち参加者はホストの言うことを聞く義務がある」と言うホストも、また少なからずいます*6。
これは何が悪いということではなく、あえて言えばそんなクソ価値観を矯正しなかったソイツの親が悪い天運が悪いのだと思います。
価値観の違いというのは、大小あれど誰にでもどこにでも起こり得るものです。しょうがない。
ですので、その「しょうがない」を含んだ上で最善を目指しましょう、というのがイベント運営の目標となるでしょう。
お互いに無理をせず、強要せず、こだわりたい所はこだわり、看過できない所は意見し、妥協できる所は妥協したりしましょう。
参加を断る権利も、参加しない権利もある
悪いなのび太、この車は3人乗りなんだ!
「そんな物あるか」と詰られるかもしれませんが、個人的にはむしろ、何故「ない」と思っているのかを是非聞かせて欲しいと思っています。
こういうこと言い出すとやれ差別主義者だとか選民思想だとか大炎上待ったなしだなガハハという気持ちがジワジワと湧いてきていますが、ちょっとお互いに落ち着きましょうね。
言葉を選ばずに主語を大きくとれば「程度問題」という表現になるのかなと思いますが、『程度』は時代や社会が形作るものなので、詳しい言及は避けたいと思います。
少なくとも今回本投稿の主題に掲げている「小規模レセプションでの質向上」という価値基準での判断においては、 特定の参加希望者を主催者が断ることも、任意の参加者・参加希望者が不参加を表明することも、十分許容されることだと判断できると思っています。金銭授受が発生した後だったりすると、また話は変わってしまいますが。
むしろこういう話は、イベント開催を告知する段階で必ず明記しておきましょう。「主催都合で参加をお断りする場合があります」「参加費を振り込まれた後での参加キャンセルに際しては、主催都合の場合を除き、基本的には返金できません」などですね。部外者に笑われるくらい臆病に慎重になりましょう。なって損はない。
おわりに・免責(再掲)
いろいろ思いつくままに書き連ねましたが、あくまで私個人の意見感想であり、所属する企業・団体、ホスティングサーバーの運営企業とは関係なく、特定の政治的思想、宗教的価値観を奨励・批判するものでもありません。また一部明示した箇所を除き、特定の企業・団体や個人、イベント等について言及されたものではありません(お定まりの定型句)。 あくまで「私がホスト側でイベントを興すならこれくらいしたいし、できれば他人がホストになったときにもしていて欲しいけれど、まァ理想論ね。理想論。」という程度の話です。
この文章を大真面目に肯定的に捉えて実践しようとしなくていいし、この文章を大真面目に批判的に捉えて義憤に駆られなくていいです。
とはいえ、こんなクソつまらん散文に最後までお付き合い頂いたこと、心から感謝します。
また何処かでお会いしましょう。それでは。