ささきしき

チラシ

デレマスの「お仕事」考察

正式表題: ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」内における要素「お仕事」に出現するエリアアイドルの存在と、当該アイドルのスカウトという概念に対する考察、および一つの解答例

前文

知人が話題にしていたのを小耳に挟んだ。
かたや「ゲームにおけるフレーバーテキスト(盛り上げる為の補助因子)であって、そもそも考えること自体が無意味」、かたや「彼女たちは(ゲーム的に、プレイヤーの所有アイドルとなる前に)既にアイドルであるのなら事務所との契約があるわけで云々」といった様なことを言っていた。私もこういった話は意味もなく好きなので、勝手に一人で考察してチラシの表にでも書いておこうという魂胆である。

なお、当該ゲームやそのシステムについての説明は軽く触れるに留める(こんな文章読むやつが何も知らないとかそんな訳あるか(と言いつつだいぶ説明した気がする。))

前提(免責ほか)

結論

プレイヤーの在籍する大手芸能事務所が主催する、アイドルスカウトを前提としたイベントの一貫である

考察

用語定義

まずは用語を固める。

  • 「プレイヤー」とは、ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ(以下「デレマス」)」を遊ぶユーザー個々人の事であり、作中ではアイドル達から「プロデューサー」と呼ばれる者の事を指す。
  • 「お仕事」とは、『プレイヤーの所持するアイドル達を組み合わせ、「エリア」と呼ばれるダンジョンを攻略する』ものを言う。
  • 「エリアアイドル」とは、『エリアダンジョンに登場するアイドルの総称』とする。
  • 「スカウト」とは、本件では『各エリアごとのボス(「エリアボス」という)を仲間にする』ことを指す。

したがって「お仕事」とは、「エリアを攻略しエリアボスをスカウトするもの」という表現ができる。

また、

  • 「素人」とは、「芸能事務所に所属しておらず、アイドルの経験もない者」
  • 「地下アイドル」とは「アイドルとして活動しているが、芸能事務所との契約はなく、主にセルフプロデュースによる活動をする者」
  • 「プロ」とは「芸能事務所と業務契約をしている者」

とする。

前口上

プレイヤーは芸能事務所のプロデューサーであるから、プレイヤーが率いるアイドル達は正しく芸能事務所所属の「プロのアイドル」である。 しかし、エリアアイドル達は「アイドル」と表現されこそすれ、プレイヤーにスカウトされる以前に「プロのアイドル」であったかの明言はない*1。つまり、素人ないし地下アイドルの可能性がある。

しかし、すると「プロのアイドルの仕事」として、何故か都合よく現れる素人や地下アイドルを相手に突然競うという構図になり、なんとも腑に落ちない。
ならばエリアアイドルも「プロのアイドル」なのだとすると、今度は「スカウト以前に在籍していた事務所とはどうなったのか」という話題が噴出する。これは多くのケースが考えられる(アイドル本人の強い希望で移籍、クビになったので再雇用、引き抜きなど)が、場合によっては穏やかでない。

ゲーム的に「スカウト」という表現である事も含めて、「プレイヤーがキャラクターをアイドルにする」という状態が最も理想的だと考える。 すると帰結として、エリアキャラには「素人」ないし「地下アイドル」であって貰わなければならない。

本旨

では、どういった状況なら「プロと素人が競う」という文脈が成り立つか。

答えは先述の通り、【「お仕事」が、プレイヤーの在籍する大手芸能事務所が主催する、アイドルスカウトを前提としたイベントであった場合】である。

順を追う。

第一に、ここまでプレイヤーが在籍する事務所が大手だという表現は一度もない。ゲーム設定としても、事務所そのものの規模には言及されていない*2
しかし推測する事は可能である。プレイヤーの事務所には「専属トレーナー」や「女子寮」が存在する。デレマス世界においての世界経済を現代日本程度と仮定すれば、それだけの設備を用意しておける事務所が零細である筈はなく、むしろ大手であると言われた方が自然だろう。
これらを以って、「プレイヤーは大手事務所在籍である」と結論づける。

第二に、なぜ「事務所主催のイベントなのか」という点。
これは単純に「その方が全体の通りが良いから」である。
つまり「お仕事」全体の流れが、

  1. あらかじめ事務所が各エリアごとに参加者(エリアアイドル)を自他薦で募集する
  2. エリアアイドルに何らかの手段で順位をつける(エリアボスの存在)
  3. 事務所アイドルの「お仕事」として各エリアに行き、エリアアイドルと交流、競い合う
    • 事務所アイドルが勝った場合、エリアボスにスカウトの打診が行われ、受諾される
    • 事務所アイドルが負けた場合、プレイヤーはスカウトを断念、あるいは失敗している

となっていると考える。
イベントの題目は、例えば「アイドルに挑戦!」「アイドルと同じ舞台に立てる!」で良いだろう。デレマスに限らず「アイドルマスター」世界では、アイドルとは全国民の憧れに名を連ねるような存在である*3。アイドルに興味がない、という層は限りなく少数派だろうし、一芸能事務所が地方自治体相手に大きなイベントを用意できる力があることの裏付けにもなる。
あるいは地方自治体と協賛する形で町おこしを兼ねたミスコンを想定しても良い。予選を通過した参加者には現役アイドルと競える権利、優勝参加者にはアイドルとしてスカウトされる権利を与える、というものだ。
エリア数を重ねるごとにエリアアイドルが『強く』なることに理由が必要なら、先述の流れ表の1から3の間に「上位者には事務所からレッスンを受ける権利が付与される」などとあればいいだろう(これも大手事務所説を支持する。)
結論として、「そもそも事務所が噛んでいれば概ね都合が良い」という事になる。

結論

以上を以って、私は【「お仕事」とは、プレイヤーの在籍する芸能事務所が主催する、アイドルスカウトを前提としたイベントの一貫であり、エリアアイドル・エリアボスはあらかじめ自他薦によって選ばれた素人・地下アイドルである】と結論づける。

後文

今回は殊更エリアアイドルが素人であるように書いたが、エリアアイドルがプロであった場合の解答例も用意した。これは、事務所間でのアイドル移籍はアイドルの自由意志によってスムーズに行われる、という世界観であればよい。つまり、人気アイドルを囲って利益を独占するような事務所が存在せず、アイドルの成長に重きをおき、移籍の希望を尊重してくれる事務所しかないのならば、全員最初からプロだろうがお構いなしだ(スカウトではなくなるので今回は捨て置いたが。)

と、ここまで書いて、「元モデル」などの「アイドルではないが何らかの芸能事務所に所属している人」への言及が全くなかった(カテゴライズすらしてない)事に気づいた。「お仕事」で遭遇できるアイドルが該当するかは未確認だが、とりあえずは地下アイドル枠で良いと思う。後は後文の通り。良い事務所だったのだろう。とはいえ例外も多かろう(具体例として「佐久間まゆ」さんを挙げるが、現役読者モデルだった彼女はプレイヤーに一目惚れをし、前の事務所を辞める形でスカウトされに来ている)事は想像に難くないので、後々資料が増え次第加筆、修正、あるいは撤回できればと思う。

3'000字とちょっと。
ここまで読んでくれた人がいるなら、心からのありがとうを。

-了-


以下、雑談

前提(免責)の通り、実際にゲームを遊んでいるわけではないので、用語の解釈が不適切だったり、世界観の理解が不十分だったり、この考察の反例となるアイドルが多く見つかったりするかもしれない。その時は忌憚なく意見が欲しい。このブログにコメントするにはログインが必須だけれど、Twitterにリンク貼って言及でもいいし、はてブやら増田やらに書いてもらっても構わない。できるだけ探して読むから。
結局のところ、私が個人的に「創作世界観において『創作物だから』と一蹴してしまうこと」を嫌っているがゆえの噛みつきでしかない。だから、こんな事3'000字近くまくし立てて何になるんだと言われれば何にもならないし、むしろ4,5時間近く時間を無駄にしただけとも言える。

けれども何か叫びたかった。
喚き散らしたかった。
仕事の納期をすっぽかして、講義の課題も放り投げて、アーだのウーだの呻きながら、寿命削ってゴミ産んで、魂すり減って寝込んで、誰に見向きもされずとも、それでも、それでも。

情けない私の、情けない成果物。
たった少しだけど、これが今の私の全部。

これが私の、存在証明。

*1:はず。事実未確認の憶測に基づく発言。

*2:はず

*3:そもそもが「日本昭和期のアイドルブームが現代まで大きく続いていたら」という環境設定の筈だ